ISO審査員研修

ISO審査員の年度研修なるものに行ってきた。
ここではどこの審査機関かは伏せておく(調べればすぐわかるのだがあえて内緒にしておく)
法的要求等の更新状況や審査機関としての審査の在り方を勉強する事が出来た。
審査と言えば、コンサルタントをやる上で顧客から一番愚痴を頂くのは
「昨年審査員が●●を直すべきと言ってた癖に、今年の審査では●●は以前のままがいいと言われてはあ?って思った」とよく言われる。
そう、審査はあくまで審査員が審査員資格をもった”人間”である為、一個人の所感がどうしても強くなってしまう。
その為、ISOの規格要求を順守しているかを確認するはずが、いつの間にか「個人の所感」が+され、個人規格なるものが出来上がってしまっている。
私が所属している審査機関は月に1回、必ず研究会を行う。・審査員が疑問に思っている事 ・審査をする上で困った事 ・報告書、ヒアリングのやり方 等を質問・ディスカッションし、可能な限り審査内容を「統一化」できるよう努力している。
現場主義を掲げ、重箱の隅をつつくのではなく会社としてのリスクをISOの規格に照らし合わせながら発見してくれる良い審査機関だと思っている。

審査員同士で言う事がずっと違っている審査員や、それを改善しない審査機関もあると思う。
その時は審査機関を一度見直してはいかがだろうか?
金銭や手間はそれほどないので、是非一度検討する事をお勧めする。

SDGsへ望んでいること

昨今SDGsと呼ばれる「持続可能な開発目標」がニュースやテレビで度々注目されている。
17の世界的目標、169の達成基準、232の指標からなる持続可能な開発のための国際的な開発目標から自社の仕事が該当する取り組みを選別し、公表して
次世代に降り注ぐ課題を少しでも解決させていくといったもの。
ある程度絞られている項目もあり、基準数・値も明確になっている事からほとんどの企業が賛同を示していると思う。
環境問題にも配慮した取組みや食品ロス、産業廃棄物の削減にも繋がる為、是非普及していってもらいたいと思っている。
思う所があるとすれば2つほどある。
1つ目は企業が目標を掲げているだけであって、実際の取組み状況はどうなったのかは企業に一任されているところである。
良い取組みでも成果が出ているか確認できない・公表しないのであれば勿体ない。評論家等がテレビで一言「ほんとにやっているの?」等と言われた際には
「SDGsは、口八丁だ!」なんて声も出かねない。
良い取組みを日本が押していくのであれば国が認定制度を導入し、定期報告等を行っていくのが良いのでは?と個人的に思ってしまう。
世界的が認識している日本の品質の高さをSDGsでも管理能力の高さとして有効利用するチャンスでもある。

2つ目は、他の認証制度との提携だ。
例えば、私の仕事であるISO関連。正式名称は「 International Organization for Standardization国際標準化機構)」
名前にもある通り世界の基準を定めていく機関である。その基準の1つに「ISO14001(社会経済的ニーズとバランスをとりながら、環境を保護し、変化する環境状態に対応するための組織の枠組みを示していく。)」
がある。他にもエコアクション21という環境省が制定した日本独自の環境保護に関連する基準がある。
どうだろう?SDGsと何か違う点があると思うだろうか?あるとすれば2030年までの期間しか無いと思っている。
勿論、ISOやエコアクションは「企業が成長しながら環境に配慮していく共存を目指す」、SDGsは「次世代や地球課題の中から2030年までに達成するべき取り組みを行い、地球環境を良くしていく」
といったゴールの違いはあるかもしれない。
しかし、内容してはほぼ一緒であり企業が出来る事に対して取組みを設定していくという点に関しては全くの一緒である。
ISO14001取得企業であれば、やっている事をそのままSDGsに置き換えればいいだけなのだが、それであるならばISO14001という1年に1度外部機関が審査に来るSDGsより厳しい基準をクリアしている。
従って、ISO14001の資料を公表すればSDGsとして登録するといった置き換えが上手くいけばよいのではと思っている。

2つ目に関してはISOのコンサルタントである為、若干ISO贔屓になっている所も正直ある。(笑)
取らせるだけ取らせて終わり。だと政治家や大手企業の天下り先が増えたようにしか思えない。
未来に向かってという良い取組みを世界的に行い、全世界がそれに協力しているのであればこそISO化し第3者の人間が監視し継続的に行っているかを確認していく必要があるのではないだろうか?



と思う今日この頃。

ISO9001を必要としている会社とは?

このブログを見ている皆さんに至ってはISO9001とは?という事前情報を調べた結果、このブログに辿り着いている事でしょう。
ですが、興味・調査をする前はいかがだったでしょうか?
かくいう私もISOコンサルタントという仕事に関わるまでは知識は皆無でした。実家が建設業を営んでおり、ISO9001・14001・45001を取得していましたが、「毎年スーツ着た人が1日中事務所にいるなー」と言うイメージでした。
ISOとは完結に言うと「最低限度のルールを全世界単位で共有する事」です。その中でISO9001とは「品質マネジメントシステム」と言い自社業務のシステムをルール・標準化し、作業内容・作業能力に関係なく同等の製品・サービス(接客・契約説明 等)を構築(マネジメントシステム)してく事です。

さて、ここからが本題ですが上記のISO9001をなぜ取得していくのか?
お金を掛けてまでやる事なのか?、自社で独自に構築してしまえばいいのではないか?と言った疑問が出てくるでしょう。
実情を言うとISOを取得するきっかけになったほぼ8割以上は下記の内容が取得理由となっています。
・取引先からの要求(例:取引先からの監査が1年に1回現場視察に来るが、ISOを取得する事で3年に1回になる為)
・親会社からの要求(例:親会社からの監査が1年に1回現場視察に来るが、ISOを取得する事で現場視察自体が無くなる為)
・官公庁が公表する入札の参加要件に含まれている為
・建設業の総合評価入札時の加点項目に含まれ、入札時に有利に働く為
等、どこかしらからの要求がほとんどです。
残りの2割は
・ISOを取得する事で社会的ステータスをアップさせ、新規顧客の獲得に臨む為
・自社品質の向上を行う為
等があると思います。
残りの2割は営業時・契約後の初回訪問時等でお会いすると良く聞かれる言葉ですが、質問を繰り返していく内に8割の理由へと変化していきます。
勿論、例外もあるとは思いますし、入札要件にも絡むし社内意識の改善にも取り組んでいきたいという両方取りの会社もあります。
上記のような際、ISO9001を取得すると言った社員からの反発は必ず出てきます。
・余計なルールが出来てまた面倒になる
・現状でいいじゃないか
・誰が担当するのか
等、現場という最前線で従事されている方にはかなり敬遠されてしまいます。

私どもとお付き合いさせて頂く際には現場の方々に負担をお掛けしません。
・現場に寄り添い意見を聞き
・面倒な作業は弊社で作成し
・必要と思ったルールはこちらでマニュアルというルールブックに反映していきます。
ISOを行う作業員をアルバイト感覚で雇用すると言ったイメージです。

ISO9001をなぜ取得するのか?
その答えをよく検討してみて、
・取引先、親会社からの要求
・総合評価入札の加点項目
・取得要求が出ているが、社員から誰が担当するのかと言った声が出ている。

上記の内容でISO取得が滞っている企業様は是非一度私どもへご連絡ください。
必ず力になって皆さまを目的の方向へ道案内致します。

自社で取得してこそ真のISOだ!、マネジメントシステムを真に構築するのは自社でしか出来ないという企業様は是非一度自社で頑張ってみる事をお勧めします。
ルールが煩雑になったり、社員が退職し引継ぎもままならない状態で後任者に引き継ぐ事になり、アウトソーシングをするタイミングが出てくる事でしょう。
その時にもう一度検討してみてください。自社がISO9001を取得する事になったのかを。